空き家を放置するリスク

空き家をそのままにしておくと、さまざまなリスクが生じます。「まだ大丈夫」と感じていても、早めに対処しておくと安心です。

リスク1:「特定空家」に指定されると固定資産税が最大6倍に

管理が行き届いていない空き家は、自治体から「特定空家」に指定される可能性があります。特定空家に指定されると、固定資産税の住宅用地特例(軽減措置)が解除され、税額が最大6倍に増加します。2023年の法改正により、特定空家になる前の段階(管理不全空家)でも軽減措置が解除される仕組みが導入されました。

出典:空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov)

リスク2:倒壊や火災のリスクと所有者責任

老朽化した空き家は、台風や地震による倒壊、放火による火災のリスクがあります。万が一、空き家の倒壊や落下物で近隣の方や通行人に被害を与えた場合、所有者が損害賠償責任を問われる可能性があります(民法717条・土地工作物責任)。

出典:民法(e-Gov)

リスク3:不法侵入や不法投棄の温床になる

人の出入りがない空き家は、不法侵入や不法投棄のターゲットになりやすい傾向があります。犯罪に利用されるケースも報告されており、地域の治安に影響を及ぼすことがあります。

リスク4:資産価値が下がり続ける

建物は使われないまま放置すると劣化が加速します。放置期間が長くなるほどリフォーム費用がかさみ、売却時の価格にも影響します。早い段階で整理に着手するほうが、結果的にコストを抑えられるケースが多いです。

全国の空き家は約900万戸にのぼり、過去最多を更新しています(2023年・総務省「住宅・土地統計調査」)。空き家問題は年々深刻化しており、早めの対応が求められています。

出典:総務省「住宅・土地統計調査」

ポイント:空き家の放置は「税負担の増加」「倒壊・火災リスク」「不法利用」「資産価値の下落」の4つのリスクにつながるため、早めの整理が安心です。

空き家整理の進め方

空き家の整理は、以下の5つのステップで進めるとスムーズです。

STEP 1:現状を確認する

まずは空き家の状態を把握します。建物の劣化状況、荷物の量、土地・建物の権利関係(登記の名義など)を確認しましょう。遠方に住んでいて現地に行けない場合は、業者に現地調査を依頼する方法もあります。

STEP 2:相続人間で方針を決める

空き家をどうするか(売却・賃貸・解体・維持管理)の方針を、相続人全員で話し合って決めます。方針が決まらないまま片付けを進めると、あとから「勝手に進められた」とトラブルになることがあります。

STEP 3:貴重品・残すものを選別する

通帳、印鑑、権利証、保険証券などの貴重品と、形見として残したいものを先に選別します。この作業は遺品整理と共通する部分が多く、詳しい進め方ははじめての遺品整理ガイドをご覧ください。

STEP 4:不用品の整理・搬出

残さないと決めたものを搬出します。家具や家電などの大型品が多い場合は、業者に依頼するのが効率的です。自治体の粗大ごみ回収も併用すると費用を抑えられます。

STEP 5:清掃・必要に応じてリフォーム

荷物の搬出が完了したら、室内の清掃を行います。売却や賃貸を予定している場合は、必要に応じてリフォームや修繕も検討します。

ポイント:空き家整理は「現状確認 → 方針決定 → 貴重品選別 → 不用品搬出 → 清掃」の5ステップで進め、まずは現状の把握と方針の合意から始めるのが大切です。

費用相場と自治体の補助金制度

空き家の整理にかかる費用は、作業範囲によって大きく異なります。

荷物の整理・搬出の費用目安

空き家に残された荷物の整理・搬出を業者に依頼する場合の費用目安は以下のとおりです。

作業範囲 費用目安(税込)
荷物の整理・搬出のみ15万〜50万円
解体まで含む場合(木造30坪目安)100万〜300万円

荷物の整理費用は、一軒家の遺品整理と近い価格帯になります。遺品整理の費用相場は遺品整理の費用ガイドでも確認できます。

自治体の補助金制度

空き家の整理や解体に対して、補助金を交付している自治体があります。主な補助制度には以下のようなものがあります。

1. 解体費用の補助

空き家の解体費用に対して、上限50万〜100万円の補助を行う自治体が多く見られます。「特定空家」に指定されている場合に補助率が高くなる制度もあります。

2. 空き家バンクへの登録支援

自治体が運営する「空き家バンク」に登録すると、売却や賃貸の相手を探しやすくなります。登録に際して、片付け費用やリフォーム費用の一部を補助する制度を設けている自治体もあります。

3. リフォーム補助

空き家を活用するためのリフォーム費用に対する補助金もあります。移住促進策と組み合わせた制度が多く、地方部を中心に拡充されています。

出典:国土交通省 空き家対策

補助金の内容や金額は自治体によって異なります。お住まいの市区町村のホームページで最新情報を確認してください。

ポイント:空き家整理の費用は荷物の搬出だけなら15万〜50万円が目安で、自治体の補助金制度を活用すれば負担を軽減できる可能性があります。

遺品整理業者と不用品回収業者の違い

空き家の片付けを業者に依頼する際、「遺品整理業者と不用品回収業者のどちらに頼めばいいの?」と迷う方もいます。両者の違いを確認しておきましょう。

比較項目 遺品整理業者 不用品回収業者
サービス範囲遺品の仕分け・搬出・供養・形見分け不用品の回収・搬出
仕分けの丁寧さ一つひとつ確認しながら仕分け基本的にまとめて回収
供養対応対応可能(業者による)対応なし
必要な許可一般廃棄物収集運搬許可・古物商許可一般廃棄物収集運搬許可
費用帯3万〜60万円(間取りによる)数千〜数十万円(量による)

空き家に残っている荷物が故人の遺品を含む場合は、遺品整理業者に依頼するのが安心です。貴重品の発見や供養にも対応してもらえます。

一方、遺品ではなく純粋に不用品だけを搬出したい場合は、不用品回収業者で問題ありません。ただし、一般廃棄物収集運搬許可を持たない業者には注意が必要です。無許可の業者に依頼すると、回収した不用品が不法投棄されるリスクがあります。不法投棄が発覚した場合、依頼者にも廃棄物処理法上の責任が問われる可能性があるため、許可の有無を確認するようにしてください。

出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(e-Gov)

信頼できる業者の見極め方については遺品整理業者の選び方ガイドで詳しく解説しています。

ポイント:空き家の荷物に遺品が含まれるなら遺品整理業者、不用品のみなら不用品回収業者が適していますが、いずれの場合も許可の確認が欠かせません。

空き家整理後の選択肢(売却・賃貸・解体)

空き家の荷物を整理したあとは、その空き家をどう活用するかを決める必要があります。主な選択肢は3つです。

選択肢 メリット 注意点
売却維持費(固定資産税・管理費)から解放される相続登記が済んでいないと売却できない。2024年4月から相続登記が義務化
賃貸家賃収入を得られるリフォーム費用がかかる場合がある。入居者管理の手間が発生する
解体更地にして土地として売却できる建物がなくなると固定資産税の軽減措置が外れ、税額が上がる場合がある

売却を検討する場合

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続した不動産の登記を3年以内に行わない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。売却を検討する場合は、まず相続登記が完了しているか確認してください。

出典:法務省「相続登記の義務化」

賃貸を検討する場合

空き家を賃貸として活用する場合は、リフォーム費用と見込まれる家賃収入のバランスを確認する必要があります。自治体が運営する「空き家バンク」に登録すると、入居希望者を探しやすくなります。

出典:国土交通省 空き家対策

解体を検討する場合

建物を解体して更地にすると、住宅用地特例がなくなり固定資産税が上がる場合があります。解体の判断は、土地の売却見込みや維持コストを総合的に考えたうえで行いましょう。

不動産の売却・賃貸・解体に関する判断には、税務上の影響も伴います。詳しくは不動産会社や税理士に相談されることをおすすめします。

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ポイント:空き家整理後は「売却・賃貸・解体」の3つの選択肢があり、それぞれメリットと注意点が異なるため、専門家に相談しながら判断するのが安心です。

まとめ

空き家は放置する期間が長くなるほどリスクと費用が膨らみますが、整理すれば売却や活用の可能性が広がります。「いつかやらなきゃ」と思っている今が、始めるタイミングです。

この記事のポイントを振り返ります。

  • 空き家放置のリスクは「税負担増・倒壊・不法利用・資産価値下落」の4つ
  • 整理は「現状確認 → 方針決定 → 貴重品選別 → 搬出 → 清掃」の5ステップ
  • 荷物の整理・搬出費用は15万〜50万円が目安。自治体の補助金も活用できる
  • 遺品が含まれる場合は遺品整理業者に依頼し、許可の有無を確認
  • 整理後は売却・賃貸・解体の3つの選択肢を比較検討する

空き家の整理について、何から始めればいいかわからない方は、まずはお気軽にご相談ください。状況に合った業者を無料でご紹介します。


参考リンク